文章を作る現場で欠かせない作業のひとつが「校正」です。
その中でも、修正内容を正確に伝えるためのツールとして使われているのが「校正記号」です。
編集者やDTPオペレーター、ライターにとっては、まさに“共通言語”とも言える存在です。
今回は「校正のルール」と「校正記号とは何か?」を整理し、代表的な校正記号の使い方についてご紹介します。
校正の指示出し 基本ルール
修正指示は明確に・簡潔に
曖昧な表現は避け、何をどう直すかを具体的に書きます。
×:「〇〇」は前ページの価格に修正。
○:「〇〇」は123ページの価格「0,000円」に修正。
×:語尾がちょっと変な気がします。
○:語尾が「ですます」と「である」が混在。「である」に統一。
「赤字+指示コメント」で伝える(紙 or デジタル)
紙面の場合は赤字で記入、デジタルならコメント機能(Word、Googleドキュメント、PDFなど)を使って指示を入力します。
・誤字→訂正文字を赤字で書く
・削除→「削除」または「トル」と書く
・追加→挿入箇所を明示し、追加文章/語句を書く
校正記号を使う(紙 or デジタル)
印刷物やDTPなどの現場では、JIS規格の校正記号を使って指示を出すのが通例です。
詳しくは「代表的な校正記号一覧」でご紹介します。
校正記号って何のためにあるの?
校正記号は、文章の修正指示を簡潔かつ正確に伝えるための記号です。
たとえば「この文字を削除」「ここに読点を入れる」といった指示を、文章でいちいち書かずに、記号だけで示せるのが大きなメリット。
また、校正記号を使うことで修正意図の見落としや誤解を防ぐことができ、編集作業の効率化にもつながります。
代表的な校正記号一覧
文字の削除

文字の挿入

字間の詰め

行間の詰め

改行

改段

改行の取り消し(追い込み)

括弧の挿入

字下げ

文字の入れ替え

ルビ

修正指示の取り消し

行頭を揃える

行末を揃える

書体の変更:明朝体をゴシック体に(ゴチ/ゴシ 明朝体に変更はミン)

立体(ローマン体)に

斜体(イタリック体)に

太字に

上付き・下付き

大仮名を小仮名に/小仮名を大仮名に

大文字・小文字の変更

- 修正指示が視覚的でわかりやすい
赤字で一目で意図が伝わるので、指示ミス・読み違いが起きにくい。 - 作業のスピードが上がる
文章で修正内容を書くより、記号での指示のほうが圧倒的に早く、校正者もレイアウト担当者も負担が少ない。 - 業界共通の“プロのルール”
編集・印刷・出版・広告などの業界では、校正記号を知っていることが基本スキルのひとつとされており、信用にもつながります。
手書き校正とデジタル校正、併用のススメ
手書き校正は、紙に印刷した原稿を赤ペンなどで修正する方法で、紙を広げて全体を俯瞰できるので、ミスに気づきやすいという利点があります。
一方、Bitmatch Premiumのようなデジタル校正ソフトを使えば、初校と再校をドラッグするだけで、違っている箇所全てを色で表示してくれます。
やはり人間の注意力には限界があるので、直感・感覚で全体をつかむ「手書き校正」と正確・効率で細部を詰める「デジタル校正」両方使って“校正モレ”をなくすのが最善です。


まとめ
校正記号は、単なる記号のようでいて、「ここをこう直してほしい」という明確な意思を伝えるための道具です。
誰が見ても誤解のない、正確で効率的な校正のために、校正記号の知識は必須と言えるでしょう。
もしチーム内に校正記号に不慣れなメンバーがいれば、この機会に基本的な記号の一覧表を共有しておくことをおすすめします。
チームの生産性と品質が確実に上がりますよ。
