QR コード 校正はどうやる? 読み取れない場合の対処法を解説します

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フリーペーパーや情報誌、チラシ、教科書・教材、自治体が配布するタブロイド新聞など、様々な印刷物にQRコードが使われています。その多くは、関連サイトに飛ばすためのURLを埋め込んだQRコードです。そのため、印刷物の制作工程の各校正段階で、「QRコードが正しく読み取れるか?」「お客様指定のリンクURL(情報)は間違いないか?」というチェックを行うことが必要となっています。

校正方法はQRコードの数によって効率的な方法を選択する

校正方法は、チェックするQRコードが大量にあるか?それとも数十個程度かによって方法を変えると効果的です。
数が少なければスマートフォンで1つ1つ読み取り、リンク先が正しいかを画面上で確認します。数十個以上であれば自動で読み取りを行うソフトウェアを使用すると便利です。

スマートフォンで読み取る場合

スマートフォンでの読み取り校正は、校正紙をプリントアウトして、暗くない場所で、OSの異なる機種違いの複数台で確認しましょう。

QRコードには、コード内のデータが損傷していてもデータを正確に復元するための「誤り訂正機能」が備わっているため、一部分が欠けていても、表面が汚れていても、ある程度読み取れる仕様になっているのですが、それでもやはり読み取れない場合があります。これらの原因は、下記のようにスマートフォンに損傷がある、QRコードの作られ方や配置に問題があるといった場合がほとんどと考えてよいでしょう。

 ・スマートフォンの画面またはカメラレンズに問題がある
 ・QRコード読み取り機能がオフになっている
 ・読み取りソフトウェアへの取込み解像度が低い
 ・読み取り場所が暗い
 ・QRコードに入れたリンクURLが無効となっている(404エラー)
 ・QRコードの作られ方が読み取りに適していない

読み取りソフトウェアを使う

大量にある場合は、やはり自動で読み取りを行うソフトウェアを使うと便利です。
スマートフォンの場合は、1つ1つピント合わせをして読み取りますが、QRエビデンサーのような読み取りソフトの場合は、大きさや配置が異なる何十何百というQRコードを、共通の解像度で自動で読み取ります。解像度はQRコードに合わせて、ソフト上で任意の数値に設定することができるようになっています。

このソフトは、QRコードを読み取ると同時に、そこに埋め込まれているリンクURLからそのサイトを辿り、トップページのスクショを撮り、全ての処理が終わると結果をレポート形式のPDFで書き出します。この検査レポートには、ページのサムネール(読み取れたQRコードは赤枠付き)、埋め込まれているリンク先URL、リンク先の画面ショットが載っているので、レポートを見れば、QRコードが正しく動作するかが確認できます。

また自動読み取り検査はPDFで行うので、紙を出力する必要がないのも便利です。

QRエビデンサーへのリンク

 

QRコードを作る際の注意

読み取れないQRコードを作らないためには、以下の点に注意しましょう。

 

QRコードの絵柄がぼやけてる?

QRコードは、四角い白黒の点(セル)が縦横に配置されて、絵柄を構成しています。このセル構成がぼやけてしまっては、当然読み取れません。
よくあるのは、WebサイトにアップロードされたPDFに掲載されているQRコードで起きるケースです。印刷用データからWeb表示用にするために、解像度を落としてファイル容量を軽くして変換した際に、QRコードもダウンサンプリングされ(解像度を落とすために画像が圧縮されること)、セルが崩れてしまうのです。変換後は必ずQRコードを拡大して、解像度が低すぎて絵柄がぼやけていないか?を確認してください。
回避策の1つとしては、レイアウトソフトに配置するQRコードのファイル形式をダウンサンプリングに影響されない「.svg」にすることです。「.jpg」や「.png」は、ファイル容量を軽くすると同時にダウンサンプリングされてしまうので、注意が必要です。

 

 

 

QRコードの色は反転してもいい?

QRコードは背景色と印字色の色差で識別しています。コードの周りに余白があり、かつ背景と印字で色の明暗・濃淡がはっきりしていれば読み取れます。但しこの背景色と印字色の反転は、JIS X0510 規格では追加機能のため、読み取り機器やソフトウェアによっては読み取れないことがあります。「どうしても」という場合を除いて、反転せず、規格で推奨されている背景/白色、印字/黒色の通常のQRコードを作るのが無難です。

 

 

 

カラーQRコードの色調で注意することは?

読み取りづらい色のトップは、「黄色」系です。青緑や青などの寒色系やグレーも、明度が高く(色が薄く)なるにつれ、読み取れません。ユーザーの読み取り機器が想定できない状況では読み取りテストの結果が100パーセントとは言えません。背景色と印字色のコントラストがはっきりしていないQRコードは読み取れないと考えた方がいいでしょう。

 

 

 

適切なQRコードの大きさとは?

QRコードの読み取り精度は、スマートフォンの場合はOSの機能やカメラのフォーカス(焦点)精度、ソフトウェアの場合は取り込み解像度に依存します。また格納する情報量や文字種、誤り訂正機能の範囲設定によっても読み取り精度が変わるため、6-7mmの小さいQRコードが読み取れるものもあれば、読み取れないものもあります。
どちらにしてもユーザーの読み取り機器が想定できない状況では、読み取りテストの結果が100パーセントとは言えません。またQRコードが小さすぎると印刷で潰れてしまったり、印刷の紙質によって読み取りにくくなる場合もあります。したがって、できる限り規格で推奨されている「余白を含めて約15mm×約15mm以上」で作成することをお薦めします。

 

 

 

QRコードの周囲の余白(マージン)は必要?]

QRコードの余白は必要です。余白が付いていないと、QRコードが正確に認識できず読み取れない場合があるためです。
余白スペースは、QRコードを構成している単位の「四角いセル4個分」の大きさを、コードの上下左右に設けてください。

 

 

 

知っておきたい!「QRコードについて」

 QRコードは、1994年に株式会社デンソーウェーブが開発した二次元コードです。「QR」は「Quick Response」の頭文字からとった略語で、素早く読み取る・反応できるコードという意味が込められていて、小さい面積にたくさんの情報量を入れることができます。
 もともと製造・物流業での製品管理のために開発されたQRコードですが、スマートフォンの普及によって、決済からチケットや広告まで世界中で使われています。

 QRコードの使用にあたってはライセンスフリーで無償となっています。これは「より多くの人にQRコードを使ってもらいたい」とデンソーウェーブが特許を無償にしたもので、QRコードの仕様もオープンになっており、JISやISOで規格化されています。

・QRコードはデンソーウェーブの登録商標です。

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