商品に付けられるコードには、バーコードやJANコードをはじめ、さまざまな種類があります。これらのコードは、商品管理や流通の効率化を目的に、商品情報をデジタル化して読み取るための重要なツールです。
効率的な商品管理、トレーサビリティ、消費者への情報提供など、さまざまな目的で活用されており、どのコードを使うかは、使用する業界や管理する商品に応じて異なります。以下に、代表的なコードの種類とそれぞれの解説を示します。
商品コードとは?
商品コードとは、商品を識別するために付与される文字や数字の組み合わせです。
小売業や製造業などで広く使用され、商品の識別や管理を効率化しています。
特徴
- 商品ごとの固有のコードとなっている。
- 規則性があるので、管理や検索が容易。
- データベース管理に最適で、在庫管理や販売分析に役立つ。
例えば、商品のタグによく使われている「JANコード」は商品コードの一種です。
商品コードの種類
バーコード(Barcode)
バーコードは、縦の線(バー)とその間隔によって情報を表すコードの総称です。1次元のバーコード(線状)と、QRコードのような2次元コードがあります。バーコードは商品管理や在庫管理、POS(販売時点管理)システムなどで広く使われ、バーコードスキャナーで簡単に情報を読み取ることができます。最後の1桁は、バーコードデータの誤り検出を目的とした数字(チェックデジット)が配置されます。
QRコード(Quick Response Code)
QRコードは、2次元バーコードの一種で、文字、数字、URL、その他のデータを多く格納できるコードです。商品ラベルに印刷されている場合、商品の詳細情報やオンラインのマーケティングコンテンツにリンクさせることができます。スマートフォンのカメラで簡単に読み取れるため、広告やキャンペーンなどにも活用されています。
EANコード(European Article Number)
EANコードは、国際標準として使われる商品識別コードで、13桁(または8桁)の数字から構成されます。JANコードの元となっているコードで、国際的に商品を識別するためのシステムとして広く使われています。国ごとに異なる「国コード」が最初の数桁に付与されており、その後にメーカーコードや商品コードが続きます。
JANコード(Japanese Article Number Code)
JANコードは、日本国内の商品に付けられる標準的なバーコードで、13桁または8桁の数字で構成されます。EANコードの日本版で、商品の識別に使用されます。主に日本国内の流通商品に使われますが、EANシステムに基づいているため、海外でも互換性があります。
13桁のJANコード(標準バージョン)は、通常サイズの商品に使用され、8桁のJANコード(短縮バージョン)
サイズの小さい商品に使用されることが多い。最後の1桁はチェックデジット(誤り検出用)となっている。
ISBNコード(International Standard Book Number)
ISBNコードは、書籍を識別するための国際標準コードです。10桁または13桁の数字で構成され、主に書籍や電子書籍に使用されます。ISBNは、出版社、タイトル、版を識別するために使われ、世界中の図書館や書店で書籍管理に利用されています。書籍の裏表紙には、13桁のISBNコードがバーコードとして印刷されます。
その他
生鮮食品や個別販売の果物、野菜などに使用される4桁または5桁のコード「PLUコード(Price Look-Up Code)」、物流や倉庫管理で使われるバーコード「ITFコード(Interleaved Two of Five)」、国際的な標準化団体GS1が定めた物流管理や医薬品管理、製造業などで使用されるバーコード「GS1-128(旧称:UCC/EAN-128)」や医薬品に使用される特定の「医薬品コード」などがあります。
商品コードの重要性
商品コードは、ビジネスの効率性や正確性を向上させる重要なツールです。
在庫管理の効率化
商品コードを使うことで、在庫の追跡が簡単になります。バーコードやQRコードと組み合わせることで、入出庫作業がスムーズに。
人為的ミスの軽減
一意のコードを持つことで、手動入力や識別のミスを減らし、正確性を向上します。
データ分析の基盤
商品別の売上や在庫データを集計しやすく、経営判断の材料として役立ちます。
商品コードの決め方
商品コードを設計する際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
簡潔で覚えやすい
コードは短く、無駄のない形で構成します。たとえば、「AB123」や「PRD-001」など。
一意性を確保する
他の商品と重複しないユニークなコードを作ることで、混乱を防ぎます。
規則性を持たせる
カテゴリやブランド、商品の特徴などを反映させた体系的な構造にすると、コードを見ただけで情報を把握しやすくなります。例えば、
- カテゴリ+商品番号:「SHO-001」(靴の1番目の商品)
- 製造年月+番号:「202312-045」(2023年12月製造の45番目の商品)
商品コードの作り方
商品コードを作る際の具体的なステップを紹介します。
ステップ1:商品を分類する
商品をカテゴリー別やブランド別に分類します。分類基準を明確にすることで、整理されたコードが作れます。
ステップ2:要素を決める
コードを構成する要素を設定します。例えば、以下のように組み合わせます。
- カテゴリコード
- シリアル番号
- 製造日やロット番号
例:
- カテゴリ:「SHO」
- シリアル番号:「045」
→ 組み合わせて「SHO-045」
ステップ3:一意性をチェックする
作成したコードが既存のものと重複していないか確認します。データベースやスプレッドシートを使うと効率的です。
ステップ4:コードを運用に組み込む
商品コードをPOSシステムや在庫管理システムに登録し、運用を開始します。バーコード化やQRコード化も検討すると良いでしょう。
まとめ
商品コードは、商品の管理や販売促進を効率化するための重要なツールです。正しい設計と運用を行うことで、業務の効率化とデータ活用が大幅に向上します。自社に最適な商品コードの仕組みを構築してみてください。