カタログや書籍などの印刷物を発注する際、制作の流れをスムーズに進めるために基本的な用語を知っておくと役立ちます。ここでは、カラーについての基本用語を解説します。
カラーモードに関する用語
カラーモード
最終的な成果物に合わせて、制作する場合、色を正しく表現するためのカラーモードを設定します。モニター上で表示される色と印刷物で出力される色は異なるため、適切なカラーモードを使用して色の再現性を管理することが重要です。カラーモードを適切に設定していない画像は、色がくすんだり、鮮やかすぎたりと成果物の品質を下げてしまいます。
最近では、印刷業界でもRGB入稿が受け入れられるようになってきました。制作の基本知識として、まずRGBとCMYKの特性を理解しておくことが重要です。
RGBカラーモード
RGB(Red, Green, Blue)は、光の三原色を基にしたカラーモードで、主にモニターやデジタルデバイスで使用されます。色は光の加法混合によって表現され、非常に鮮やかで明るい色が得られます。印刷における利用では、デジタル印刷技術の向上により、RGBでデザインされたデジタルデータがそのまま印刷に対応できる環境が整いつつあります。またオンデマンド印刷の場合、一般的にはRGBカラーモードでの入稿が可能です。但し、RGBで作成したデザイン全てが必ずしも意図した通りに印刷されない場合があります。これは印刷機の特性や使用するインクによって色が異なるためで、色の確認や調整が必要になることがあります。
CMYKカラーモード
CMYK(Cyan, Magenta, Yellow, Key/Black)
印刷用のカラーモードで、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4つの色の組み合わせで色を表現します。このカラーモードはインクの混合によって色を作り出すため、実際の印刷で再現可能な色範囲(色域)が限られています。印刷における利用では、CMYKは、従来から印刷物のデザインに広く使用されてきました。特に、オフセット印刷やスクリーン印刷など、従来の印刷技術ではCMYKカラーモードが主流です。
モノクロ2階調
モノクロ2階調は、白と黒の2色だけで構成された画像モードです。中間のグレーを含まないため、画像は純粋な白または黒のどちらかで表現されます。このモードは、ラインアートや文字を扱う場合や印刷物でコントラストを際立たせたい場合に使用されます。ファイルサイズが非常に軽量になるのも特徴です。
グレースケール
グレースケールは、白から黒までの中間調のグラデーションを含むモードです。画像は複数のグレーの濃淡(256階調が一般的)で構成されており、カラーデータを持たないモノクロの画像や印刷で頻繁に使用されます。カラー画像をグレースケールに変換することで、陰影やコントラストを強調したモノクロ画像を作成できます。
インデックスカラー
インデックスカラーは、256色以内の限られた色を使用する画像モードです。色は「カラーテーブル(パレット)」として定義され、各ピクセルはこのテーブル内のインデックス番号を参照する形で色が指定されます。ファイルサイズを小さく抑えることができるため、GIF画像やウェブ用のアイコン・ロゴなどに適しています。表現できる色数が少ないため、微妙なグラデーションが必要な画像には適していません。
Labカラー
Labカラーは、人間の視覚に基づいた色空間で、3つの要素で色を表現します。
- L(Lightness):明るさを表す
- a:赤から緑の軸を表す
- b:青から黄の軸を表す
このモードは、デバイスに依存しない色空間であるため、色補正や色変換の基準として利用されます。印刷やデジタル作業で正確な色表現が求められる場面で活用されますが、扱いに専門知識が必要です。