仕事やプライベートで扱う大切なファイル。
お店で席を外した時、うっかりどこかにパソコンを忘れてしまった時、もしかしたら誰かがあなたのパソコンを見ているかも…とっても怖いですよね。
パソコン内に保存しているだけでは、他人の目に触れてしまうリスクがあります。
共有PCや外出先での使用が多い方は、セキュリティ対策として「ファイルやフォルダにパスワードをかける」ことが非常に有効です。
本記事では、Windows11/10とMacそれぞれで、ファイルやフォルダにパスワードを設定する方法をわかりやすくご紹介します。
【Windows11/10編】パスワードをかける方法
Windowsでは、ファイルやフォルダ単体に直接パスワードを設定する機能は標準では搭載されていません。
ここでは「7-Zip」を活用して「圧縮+保護」という形でパスワードをかける方法を説明します。
ー7-Zipのインストール手順ー
- 公式ウェブサイトへアクセスします。
- ご自身のWindowsのバージョン(64-bitまたは32-bit)に合ったインストーラーをダウンロードします。(現代PCのほとんどは64-bit)
- ダウンロードしたインストーラーファイルを実行し、画面の指示に従って「次へ」をクリックしていくと、インストールが完了します。
ファイルやフォルダにパスワードをかける基本ステップ
7-Zipをインストールすると、Windowsのエクスプローラーの右クリックメニューに「7-Zip」の項目が追加されます。
1. 圧縮したいファイルやフォルダを選びます。
まず、圧縮したいファイルやフォルダを右クリックします。
ここで「7-Zip」が表示されない場合は、「その他のオプションを確認」をクリックします。
表示されたメニューの中から「7-Zip」を選び、「圧縮…」をクリックします。
2. 7-Zipの設定をします。

①アーカイブ形式を「zip」にします。
「7z形式」は「zip形式」より圧縮率は高いですが、Macで解凍したい場合、専用ソフト(7-Zip, WinRAR, The Unarchiverなど)を入れていないと開けないため、ほぼすべてのOSで標準的に対応している「zip形式」を選んでいます。
②暗号化セクションにパスワードを入力します。
ー暗号化方式についてー
- ZipCrypto
ほとんどのパソコンでそのまま解凍できるが、暗号化強度が弱いため比較的容易かつ短時間で解読される可能性がある。 - AES-256
比較的新しい暗号化方式のため、一部のOSでは対応していない場合がある。
しかし暗号強度は非常に強く、事実上解読不可能とされている。
推奨される暗号化方式は、より強固なセキュリティを提供するAES-256です。
ZipCryptoは古い環境との互換性のために残されていますが、セキュリティ要件を満たすには不十分です。現在では、特別な理由がない限りAES-256の使用が強く推奨されます。
③「OK」をクリックしたら、パスワード付きのzipファイルが完成!
zipファイルを開く際は、パスワードを入力しないと開けないようになっています。

パスワード文字列はどのくらい?
「長く、複雑に」が安全の基本ですが、長すぎたり複雑すぎても、受け取った方の負担が大きくなります。ビジネスでのやり取りであれば、10〜12文字程度で、大文字・小文字・数字・記号を組み合わせたパスワードが、現実的と言えます。
特にパスワード付きZIPは「何回でも試せる」ために、弱いパスワードなら簡単に突破される可能性があるので注意しましょう。
パスワード付きzip「フォルダ」を作成した場合、フォルダ自体はパスワードを入力しなくても開き、中の「ファイル名」は見えるようになっています。
以下の方法でファイルを開けます。
- 対象zipフォルダを右クリック、「その他のオプションを確認」をクリックします
- 「7-zip」→「ここに展開」をクリックします
- 展開されたフォルダの中のファイルをクリックします
- パスワードを入力するとファイルが開かれます
一度パスワードを入力してファイルを開くと、二回目以降はパスワード入力なしで開けてしまいます。
二回目以降もパスワード入力を有効にしたい場合、以下の方法でファイルを開いてください。
- 対象zipを右クリック、「その他のオプションを確認」をクリックします
- 「7-Zip」→「開く」をクリックします
- 対象ファイルをクリックします
- パスワードを入力します
この方式なら、ユーザー名、パスワードなどの認証情報がシステムに一時的に保持されることがありません。キャッシュに残らないため、情報漏えいのリスクを減らし、安全性を高められます。
【Mac編】パスワードをかける方法
Macでは、個々のファイルに直接パスワードをかける機能は標準では提供されていませんが、それに近い形でデータを保護する方法があります。
それが、ディスクユーティリティで暗号化されたディスクイメージを作成することです。
Macで特定のフォルダをパスワードで保護する最も一般的で安全な方法です。
パスワードでロックされた仮想的なディスクを作成し、その中に保護したいファイルやフォルダを入れます。
ディスクユーティリティを使ってパスワードをかける
1. 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」を開きます。

2. 「新規イメージ」→「フォルダからのイメージを作成」を選択します。

3. パスワードをかけたいフォルダを選びます。
4. 「暗号化」で「128-bit AES」または「256-bit AES」を選択します。

AESの128bitと256bitの違いは、主に「鍵の長さ(桁数)」と「セキュリティ強度」です。
256bitはセキュリティ強度は高くなりますが、その分パソコンへの負荷も高く、処理速度も遅くなるため、ビジネスシーンの場合は128bitで十分です。
5. パスワードを設定します。

6. イメージフォーマットは「読み出し/書き込み」を選ぶと、中のファイルが編集可能になります。

完了後、作成されたディスクイメージ(.dmg)を開くとパスワードが求められるようになります。

個人管理からチーム管理へ:安全な情報共有の仕組み
個人のPCでファイルやフォルダにパスワードをかけることは有効ですが、制作現場や企業では「個人管理」だけでは限界があります。
複数の担当者が同じ案件データを扱う場合、「どこまで進んでいるか」「誰がアクセスできるか」を一元的に把握できる仕組みが求められます。
進捗管理システム「ミエルミエル」 なら、案件ごとの進捗をチーム全体で共有できるだけでなく、アクセス権限の管理も可能です。


これにより、セキュリティを確保しながらスムーズな情報共有を実現できます。
ファイル単位のパスワード管理と合わせて導入することで、現場全体の安全性と効率性を高めることができます。
まとめ
重要なデータを守るには、見た目の保管場所だけでなく、「アクセス制限」を設けることが大切です。
WindowsやMacには、それぞれ異なる方法でファイルやフォルダにパスワードをかける手段があります。
パスワード設定方法が標準機能に無くとも、工夫次第で十分なセキュリティを確保できるので、ぜひ今日から取り入れてみてください。
