DTPデザイナーとは?未経験でもわかる仕事内容・役立つ資格を徹底解説

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「DTPデザイナー」という言葉を聞いたことはありますか?
私たちが普段手に取る雑誌や書籍、お店でもらうチラシやパンフレットなど、身の回りのあらゆる印刷物が「DTPデザイナー」によって作られています。
本記事ではDTPデザイナーの仕事内容や必要なスキル、未経験からの始め方、さらに有利な資格までをわかりやすくまとめました。
これからデザインの仕事をしたいと考えている方や、キャリアの選択肢を広げたい方の参考になれば幸いです。

DTPデザイナーとは?

DTPデザイナーとは、パソコンを使って出版物や印刷物のデザイン・編集を行う専門職です。
Adobe社のIllustratorやPhotoshop、InDesignといった専門ソフトウェアを使ってパソコン上で行います。
クライアントの要望に合わせて、文字の書体やサイズ、画像の配置、全体の配色などを調整し、読みやすく、かつ魅力的なデザインに仕上げるのが主な仕事です。

「デザイナー」と聞くと、イラストを描いたり、絵画的な才能が必要だと思われがちですが、DTPデザイナーに最も求められるのは、情報を整理し、分かりやすく伝えるスキルです。
見る人に意図が正確に伝わるように、レイアウトや文字のバランスを論理的に組み立てる力が重要になります。

DTPデザイナーの仕事内容

DTPデザイナーの仕事内容を紹介します。

お客様との打ち合わせ・ヒアリング

デザイナーの最初の仕事は「新商品のチラシを作りたいんだけど、ターゲットは20代の女性で、可愛らしい雰囲気にしたい」といった要望を具体的に引き出すことです。
この段階で、お客様の要望を正確に理解することが、良いデザインを作るための第一歩となります。

コンセプト立案・企画

コンセプトが固まったら、DTPソフトで大まかなレイアウトを組んだもの(ラフデザインやカンプ)を作成し、お客様に提案します。
この段階では、細部まで作り込むのではなく、全体の雰囲気や文字・写真の配置バランスなどを確認してもらうことが目的です。
お客様からのフィードバックをもとに修正を重ね、デザインの方向性を固めていきます。

デザイン制作(レイアウト・文字・写真・イラストの配置)

ラフデザインがOKになったら、いよいよ本格的なデザイン制作に入ります。
レイアウト、フォント選び、配色、写真・イラスト選定・加工、アイコンや図形の作成など、DTPソフトを駆使して制作します。

修正・調整

デザインが完成したら、依頼主に確認してもらいます。依頼主からの修正要望を受けて、デザインを調整していきます。納得してもらえるまで、何度も修正を繰り返すこともあります。

【主な使用ソフト】
・Illustrator(メイン)
・InDesign(ページ物の制作時)
・Photoshop(画像編集)

未経験からDTPデザイナーになるには?

未経験からでもDTPデザイナーになることは十分に可能です。
ここでは、未経験からDTPデザイナーを目指すための具体的なステップをご紹介します。

DTPソフトの基本操作を習得する

DTPデザイナーになるには、何よりもまず専用のソフトウェアを使いこなせるようになることが必須です。
特に以下の3つのソフトは、必ず習得しておくべきツールです。

  • Adobe Illustrator:ロゴ、イラスト、図形などを作成する際に使用
  • Adobe Photoshop:写真の加工や編集、合成などを行う際に使用
  • Adobe InDesign:雑誌や書籍など、複数のページがある印刷物のレイアウトに特化したソフト

これらのソフトは、専門学校やオンラインスクールで学ぶのが一番の近道ですが、書籍やYouTubeなどのチュートリアルを使って独学で学ぶこともできます。

デザインの基礎知識を学ぶ

ソフトの操作を覚えるだけでなく、デザインの基礎知識も身につける必要があります。

  • レイアウト:文字や画像をどのように配置すれば見やすくなるか
  • タイポグラフィ:フォントの種類やサイズ、行間などを調整して読みやすくする技術
  • 配色:色の組み合わせが与える印象や効果

ポートフォリオを作成する

ソフトの操作やデザインの知識を身につけたら、自分のスキルを証明するための「ポートフォリオ(作品集)」を作成しましょう。
ポートフォリオは、就職活動においてあなたの実力を伝えるための重要なツールです。

ポートフォリオ作成のポイント

1. 掲載する作品は厳選する
たくさんの作品を載せれば良いというわけではありません。
数よりも質を重視し、自信のある作品を厳選して掲載しましょう。
例えば、以下のような作品があると、あなたのスキルを幅広くアピールできます。
・雑誌のレイアウトデザイン
・チラシやポスター
・名刺やロゴ
・架空のカフェのトータルデザイン(ロゴ、メニュー表、ショップカードなど)

2. 作品に説明文を添える
以下の内容を簡潔にまとめると、採用担当者に意図が伝わりやすくなります。
・作品の概要:何のために制作したか(例:架空のパン屋の開店チラシ)
・ターゲット:誰に向けてデザインしたか(例:30~40代の女性)
・コンセプト:デザインの方向性(例:手作り感と温かさを表現)
・工夫した点:デザイン上のこだわり(例:ターゲット層に好まれるよう、やわらかいフォントと暖色を使用)

3. 読みやすさにもこだわる
PDF形式で提出する場合が多いので、ファイルサイズが重すぎないか、スマホでも見やすいかなども確認しておきましょう。
以下の3つのポイントを意識して、作成してみてください。
・レイアウト:作品が際立つように、余白を適切にとる
・フォント:読みやすいフォントを選ぶ
・全体の色使い:統一感のある配色にする

未経験者歓迎の求人を探す

最近では「未経験者歓迎」の求人も増えています。
ポートフォリオが完成したら、積極的に求人サイトや転職エージェントを利用して、DTPデザイナーとしての第一歩を踏み出してみましょう。

DTPデザイナーに役立つ資格

DTPエキスパート認証試験

DTPエキスパート認証は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)が主催する、印刷・DTP業界で最も権威のある資格の一つです。
デザインスキルだけでなく、印刷技術や工程管理、情報セキュリティに関する知識まで、DTPの専門家として幅広い知識が問われます。
この資格を持つことで、業界内での信頼性が高まります。
詳しくはこちら → DTPエキスパート認証試験

DTP検定

DTP検定は、DTPに関連するソフトウェアの操作や、印刷に関する基礎知識を問う内容です。
初心者向けの「DTP検定」と、より専門的な「DTP検定上級」があります。
比較的挑戦しやすい難易度で、DTPの基礎を体系的に学ぶための良い目標となります。
詳しくはこちら → DTP検定

アドビ認定プロフェッショナル(Adobe Certified Professional)

アドビ認定プロフェッショナル(ACP)は、Adobe社のソフトウェアに関する知識とスキルを証明する国際的な資格です。
DTPデザイナーを目指す方にとっては、「Illustrator」と「Photoshop」の資格が特におすすめです。
資格取得を通じて、ソフトの機能や効率的な操作方法を深く理解できるだけでなく、そのスキルを客観的に証明できます。
詳しくはこちら → アドビ認定プロフェッショナル

色彩検定

色彩検定は、色に関する知識や技能を評価する検定です。
色の持つ効果や、配色技法、色彩心理など、デザインに欠かせない色彩の知識を体系的に学べます。
DTPデザイナーにとって、印刷物の魅力は色の使い方に大きく左右されるため、この資格は非常に役立ちます。
詳しくはこちら → 色彩検定

まとめ

DTPデザイナーは、私たちが日頃目にするさまざまな印刷物を手掛ける、非常にやりがいのある仕事です。
未経験からでも、専門ソフトのスキルを身につけ、デザインの基礎知識を学び、ポートフォリオをしっかり作成すれば、十分に活躍の道が開けます。
「デザインが好き」「何かを形にするのが得意」そう感じているなら、まずは、Adobe IllustratorやPhotoshopなどのソフトに触れてみたり、街中のチラシや雑誌のレイアウトを観察してみることから始めてみてはいかがでしょうか?
この記事が、あなたの第一歩を後押しするきっかけになれば幸いです。